歯ぎしり・食いしばり
歯ぎしり・食いしばり

「朝起きると顎が疲れている」「家族に歯ぎしりを指摘された」「歯がすり減ってきた気がする」──このような症状は、無意識のうちに行われている“歯ぎしり”や“食いしばり”が原因かもしれません。
歯ぎしり・食いしばり(総称してブラキシズムと呼ばれます)は、睡眠中や日常生活の中で上下の歯を強くこすり合わせたり、長時間強く噛みしめたりする無意識の習慣です。自覚症状が少ないため気づかれにくいものの、歯や顎関節、筋肉に慢性的なダメージを与えるリスクがあります。
これらの習慣が長く続くことで、以下のようなトラブルを引き起こす可能性があります。
中には、寝ている間に強く歯ぎしりをしていることで、歯1本あたりに数十キログラムもの圧力が加わっているという報告もあります。これは通常の咀嚼時の数倍に相当する強さであり、長期にわたって放置すると、歯が次々と損傷する可能性があります。
歯ぎしり・食いしばりには、いくつかのタイプがあります。それぞれに特徴があり、症状の現れ方や治療法も異なります。
睡眠中に上下の歯をギリギリとこすり合わせるタイプ。家族やパートナーに音を指摘されて初めて気づくことも多く、歯のすり減りやヒビ、詰め物の脱落などの原因となります。
日中や夜間に上下の歯を強く噛みしめるタイプ。音は発生しないため気づきにくいのが特徴で、顎関節への負担が大きく、頭痛や肩こりなどの症状を引き起こすことがあります。仕事中や運転中、スポーツの最中など集中している場面で起こることが多いとされています。
上下の歯をカチカチと小刻みにぶつけるタイプ。頻度としては少ないですが、顎関節や歯にダメージを与える可能性があります。
歯ぎしり・食いしばりの原因は多岐にわたりますが、以下のような要因が関係していると考えられています。
当院では、歯ぎしり・食いしばりによる症状の緩和と、将来的な歯や顎の健康を守るために、以下のような治療やケアを行っています。
最も一般的な対応法として、就寝中に装着する「マウスピース(ナイトガード)」があります。上下の歯の間にクッションを作ることで、直接的な力の負担を和らげ、歯や顎関節を保護します。
当院では、患者様のお口に合ったカスタムメイドのマウスピースを作製しております。透明で違和感の少ないタイプもご用意しており、就寝中も快適にご使用いただけます。
咬み合わせの不調が原因と考えられる場合、歯の高さや位置の微調整を行い、噛んだ時の力の分散を図ります。必要に応じて矯正治療や補綴(被せ物・詰め物)の見直しを提案することもあります。
咬筋(噛むときに使う筋肉)の過度な緊張が原因である場合、ボツリヌス毒素を用いたボトックス注射によって筋肉の緊張を和らげ、食いしばりの力を弱める治療も選択肢となります。効果は一時的(3〜6ヶ月程度)ですが、顎関節症の予防や慢性的な痛みの緩和に役立ちます。
日常的なストレスや姿勢のクセ、就寝環境などの改善も重要です。患者様の生活スタイルを伺いながら、できる範囲でのセルフケアや対処法をご提案します。
歯ぎしりや食いしばりは、放っておくと歯の寿命を縮め、顎や身体全体の不調につながることがあります。しかし、早期に対処すれば、多くの場合で改善が期待できます。
「歯が削れてきた気がする」「最近、顎が疲れやすい」「よく詰め物が取れる」といった症状に心当たりがある方は、どうぞお気軽にご相談ください。些細な違和感でも、お口の健康を守る重要なサインかもしれません。
当院では、丁寧な診査・カウンセリングを通じて、一人ひとりに最適な治療法をご提案いたします。大切な歯と顎を守るために、ぜひ一度ご来院ください。
