2026年5月25日
こんにちは。横浜市港北区大倉山の林歯科医院、副院長の林宏樹です。
当院では、患者様が一生ご自身の歯でおいしく食事ができ、健康に生きるための「持続可能な未来」をサポートすることを診療の哲学としています。
その中で、患者様からよく「先生、どうして歯医者さんなのに『呼吸』や『鼻呼吸ができているか』を聞くのですか?」と質問されることがあります。
実は、お口の環境(歯並びや筋肉、噛み合わせ)は、私たちの命を支える「気道(空気の通り道)」や「睡眠の質」、さらには全身の健康と深く、切っても切り切れない関係にあるのです。今回は、第一弾歯科医の視点から「呼吸とお口の本当の関係」についてお話しします。
歯並びの乱れは「筋肉の使い方」の異常?顎の骨が育たない本当の理由
「アゴが小さくて歯が並びきらない」「出っ歯や受け口が気になる」 こうした歯並びのトラブルは、単に遺伝だけが原因ではありません。実は、「お口の周りの筋肉の使い方」が、顎の骨の発育に決定的な影響を与えているのです。
人間には本来、正しい姿勢や鼻呼吸を通じて、舌が上顎の裏側にピタッと吸い付いている「正しい筋肉のポジション」があります。この舌による内側からの圧力と、頬や唇による外側からの圧力の絶妙なバランスによって、顎の骨は正しく、広く成長していきます。
しかし、口呼吸が習慣になると、この筋肉のバランスが劇的に崩れます。
舌の位置が下がる: 上顎を押し広げる力が働かず、上顎が狭く、高く変形してしまいます。
頬の筋肉が強く引っ張られる: 顎が横に広がるのを邪魔してしまいます。
このように、筋肉からの正しい刺激(機能)が失われることで、顎骨の発育不全が引き起こされます。その結果、歯が並ぶスペースが足りなくなり、ガタガタの歯並びや、空気の通り道である「気道」の狭窄を招いてしまうのです。
つまり、歯並びを整えるということは、単に見た目を綺麗にするだけでなく、筋肉の機能を正常化し、顎の骨が正しく育つ環境を取り戻すことでもあるのです。
