2026年10月26日
根管治療では、歯の根の中を器具で整えたあと、薬液で洗浄・消毒します。根管は細く複雑な形をしていて、枝分かれした細い管(側枝)など、器具が届きにくい細部もあります。そのため、洗浄液がどこまで行き渡るかが、治療の質に関わると考えられています。
洗浄液を行き渡らせる工夫の一つが、レーザーを使った洗浄です。その一つに「SWEEPS(スウィープス)」という方法があります。根管内の洗浄液にレーザーのエネルギーを加えると、液の中に小さな気泡が生じ、その動きが衝撃波や流れとなって、洗浄液を根管の細かい部分まで動かすとされています。
ここで、マイクロスコープとの違いを整理しておきます。マイクロスコープは、拡大した視野で根管の入り口や形を「見ながら」処置するための道具です。ただし、側枝のように、マイクロスコープでも直接見えない部分があります。レーザーを使った洗浄は、そうした見えない部分に洗浄液が届くよう補う方法の一つです。両者は役割が異なり、組み合わせて使う位置づけになります。
針で洗う方法や超音波を使った方法と比較した研究は国内外で報告されています。ただ、その多くは抜いた歯を使った実験室での研究で、実際の治療でどこまで治癒率が高まるかについては、まだ研究が続いている段階です。レーザーを使えば必ず治る、というものではありません。
また、すべての根管治療に必要な方法ではありません。歯の状態や感染の程度、症状などに応じて、使うかどうかを検討します。
大倉山にある当院でも、根管治療の洗浄にレーザーを活用する場合があります。「他院で根の治療を受けたが改善しない」といったご相談では、歯の状態を確認したうえで、レーザー洗浄を含めた選択肢と、その適応について説明いたします。
本コラムは一般的な情報提供を目的としています。治療の適応可否は、実際の診察・検査に基づき個別に判断いたします。
