2026年10月20日
「この歯は抜くしかないかもしれません」と言われて、不安になった経験をお持ちの方もいらっしゃると思います。歯はできるだけ残したほうがよい、という考え方は多くの歯科医療関係者に共有されていますが、そのためには「本当に残せないのか」を、できるだけ正確に見極めることが欠かせません。
抜歯を検討する場面では、根の先の感染が長引いている、歯にヒビが入っている、むし歯が深く進んでいる、といった状態が背景にあることが多くあります。ただ、レントゲンだけでは、これらの状態の細かい広がりまでは分からないことがあります。
マイクロスコープを使うと、歯の内部やヒビの状態を、拡大した明るい視野で直接確認できます。根管の中の状態、ヒビがどこまで及んでいるか、むし歯がどの程度深く広がっているかなど、判断の材料となる情報が増えます。その情報をもとに、治療で歯を残せる可能性があるのか、難しいのかを、より丁寧に検討しやすくなります。
一方で、すべての歯を残せるわけではありません。ヒビが歯の根の深い部分まで及んでいる場合や、歯を支える骨が大きく失われている場合などは、抜歯が適切な選択になることもあります。無理に残すことが、必ずしもよい結果につながるとは限りません。大切なのは、見える情報をもとに、残す場合と抜く場合それぞれの見通しを整理して選ぶことだと考えています。
大倉山にある当院でも、「他の歯科医院で抜歯と言われたが、本当に抜くしかないのか知りたい」というご相談をお受けしています。まずは今の歯の状態を確認し、残せる可能性と、難しい場合の選択肢について、ご説明いたします。
本コラムは一般的な情報提供を目的としています。治療の適応可否は、実際の診察・検査に基づき個別に判断いたします。
