2026年10月27日
お子さまの歯科というと、むし歯や歯並びを思い浮かべる方が多いと思います。ただ、歯の状態だけでなく、「食べる」「話す」といったお口の働きが、年齢に応じて育っているかどうかも、成長の中で大切な視点です。こうしたお口の働きの育ちが十分でない状態を、「口腔機能発達不全症」と呼びます。
たとえば、次のようなご様子はありませんか。
・食べ物をいつまでも噛んでいる、あるいはほとんど噛まずに飲み込んでしまう
・片側ばかりで噛む
・食べるのに時間がかかる、食べるときにムラがある
・普段から口がぽかんと開いている
・滑舌が悪い
・口で呼吸していることが多い、寝ているときにいびきをかく
こうしたサインは、1つあるだけで問題があるとは限りません。お子さまの成長には個人差があり、時間とともに自然に整っていく場合もあります。一方で、いくつかのサインが重なっている場合や、年齢が上がっても続く場合には、一度お口の状態を確認しておくことで、その後の見通しが立てやすくなります。
歯科医院では、保護者の方からのお話を伺い、お口の中や唇・舌の動きなどを観察します。必要に応じて、唇を閉じる力や舌で上あごを押す力を測る検査を行うこともあります。そのうえで、年齢や成長の段階に合わせて、必要であれば、お口の機能を育てるための練習や生活面での工夫をご提案します。
大切なのは、「早く何かを始めなければ」と焦ることではなく、気になるサインに気づいたときに、相談できる場所を持っておくことです。むし歯や歯並びのチェックとあわせて、お口の働きの育ちを一緒に見ていくことが、お子さまの健やかな成長を支える一助になると考えています。
大倉山にある当院でも、「よく噛まない」「口が開いていることが多い」といったお子さまの様子に関するご相談をお受けしています。定期検診の際にお気軽にお声がけください。
本コラムは一般的な情報提供を目的としています。治療の適応可否は、実際の診察・検査に基づき個別に判断いたします。
