2026年10月14日
前回の「歯周外科を選んだ後、何が行われるのか」まで、歯周病治療の流れを順にお伝えしてきました。最終回の今回は、基本治療や歯周外科を終えたあとに続く「メンテナンス」についてご紹介します。
「治った」ではなく「安定した」状態
歯周病は、むし歯と違って、一度治療すれば元に戻らない病気です。治療でできるのは、歯ぐきの炎症を落ち着かせ、状態を安定させるところまでで、その状態は何もしなければ保てません。歯周病の原因菌が口の中からなくなるわけではなく、プラークがたまればまた炎症が起こり、再発する可能性があるためです。
そこで、治療後の安定した状態を維持するために行うのが、メンテナンスです。歯周病の治療後に続けるメンテナンスは、「SPT(歯周病安定期治療)」と呼ばれることもあります。
メンテナンスで行っていること
メンテナンスでは、主に次のようなことを行います。
・歯周ポケットの深さや出血の有無、歯のグラつきを測り、治療後の状態が保たれているか確認する
・必要に応じてレントゲンで骨の状態を確認する
・歯ブラシが届きにくい部分に新しくついた歯石やプラークを、専用の器具で取り除く
・ご自宅での歯みがきの状態を見て、磨き残しやすい部分を確認し、必要に応じて指導をやり直す
治療のときと同じように、ポケットが深く残っている部位があれば、その部位に絞って処置を行うこともあります。
通う間隔は、人によって違う
メンテナンスの間隔は、一律ではありません。歯周病の進み具合や、治療後の安定度、喫煙や糖尿病といったリスク要因の有無、ご自宅でのケアの状態などをもとに、数ヶ月ごとを目安に、一人ひとり決めていきます。状態が安定してくれば間隔を調整することもあります。
痛くないから、と通うのをやめてしまう前に
歯周病は、痛みなどの自覚症状が出にくいまま進むことがあります。治療後に調子が良くなると、「もう大丈夫」と感じて通院が止まってしまうことも少なくありません。
ただ、メンテナンスを中断している間に、気づかないうちに炎症が再発し、再び治療が必要になる場合もあります。せっかく整えた状態を長く保つために、メンテナンスは治療の一部として続けていくことが大切です。
大倉山にある当院でも、歯周病の治療が終わった方に、その方の状態に合わせたメンテナンスの間隔をご提案しています。基本治療、再評価、必要な場合の歯周外科、そしてメンテナンス。この流れのどこにいるのかを、ご自身で把握しておくと、治療への見通しも立てやすくなります。
本コラムは一般的な情報提供を目的としています。治療の適応可否は、実際の診察・検査に基づき個別に判断いたします。
